売上・入金額・所得・手取りは同じではない
求人で『月収』と書いていても、実際には委託報酬の売上を指しているケースがあります。そこからロイヤリティ、車両費、燃料、保険、通信費などが差し引かれ、税や社会保険は個人の状況で変わります。会社が確定できない金額まで断定しないことが重要です。
原稿では、まず総売上の計算を示し、会社から控除されるもの、本人が別途支払うものを分けます。『手取り』という言葉は、何を差し引いた後か定義できる場合に限ります。
収入例の基本計算
候補者が自分の働き方へ置き換えられるよう、式と前提を同時に示します。数字は説明用の例であり、実際の単価・物量・稼働日数に置き換えてください。
| 要素 | 記載例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 報酬方式 | 個建○円/日額○円 | 税込・税別、加算条件 |
| 数量 | 一日平均○個 | 持出か完了か、繁忙差 |
| 日数 | 月22日稼働 | 休日、欠車、研修日 |
| 経験 | 稼働6か月の例 | 新人の立ち上がりとの差 |
| 案件 | ○○市の宅配 | エリア・荷物・再配達 |
| 控除 | 事務手数料○%等 | 計算対象、固定・変動 |
| 本人経費 | 燃料・車両・保険等 | 会社請求か直接支払か |
一つではなく三つのケースを出す
最大値だけでは、未経験者が立ち上がりを想像できません。研修・立ち上がり期、標準稼働、繁忙期または習熟者という三つのケースを用意します。人数が少ない会社は、無理に平均を作らず、実在する事例の条件をぼかさず示します。
- 立ち上がり例:研修・物量調整中の期間と売上
- 標準例:通常期に一定品質で継続している人
- 習熟例:経験期間、稼働日数、担当エリアを明記した上位例
- 繁忙期例を出す場合は、通常月ではないことを明記
本人負担経費を隠さない
候補者は売上から生活費を考えます。車両リース、燃料、任意保険、貨物保険、駐車場、通信、端末、制服、振込手数料など、発生可能性のある項目を一覧にします。金額が人によって違う場合も、負担者と計算方法は説明できます。
経費を伝えると応募が減るのではなく、条件が合わない人が入る前に判断できます。結果として面接・契約・研修の無駄が減り、会社への信頼を守ります。
掲載数字を社内で証明できるようにする
収入例の根拠は、対象月、対象者、完了個数、単価、稼働日数、控除を社内で再計算できる形で保存します。個人を特定できる情報は公開せず、本人の許可なく明細画像を使いません。
- 集計期間と通常期・繁忙期の区分
- 対象者の経験月数と稼働条件
- 売上に含めた加算・手当
- 控除前か控除後か
- 原稿の最終確認日と更新担当者
面接では本人の希望収入から逆算する
面接では掲載例を読み上げるだけでなく、候補者の希望額、稼働可能日、車両条件、通勤、休みを聞き、現実的な売上と経費を一緒に計算します。希望と案件が合わない場合は、契約を急がず別案件や時期を提案します。
採用のゴールは高い数字を信じてもらうことではありません。本人が条件を理解し、続けられる判断をできることです。
